林裕太さん、岸本加世子さん主演映画『Parallel Parking 』

想い出は、一杯のブテチゲ
五箇公貴 2026.08.10
読者限定

短編映画をプロデュースしました。

久々に映画を制作。ドラマとは取り組み方が違うので新鮮でした

久々に映画を制作。ドラマとは取り組み方が違うので新鮮でした

8/15-2週間、池袋、下北沢、渋谷の映画館で上映されます。3本のオムニバス短編三作品のうちの一本を私が担当しました。

タイトルは『Parallel Parking 』

小学生の弟をもつ22歳の悠生は、父親と12歳の弟と3人で暮らしている。生活費を稼ぐため毎日家とバイトの往復という生活を続けている。父から搾取される毎日に嫌気がさし、ある日の帰り道に家と反対方向にハンドルを切る。あてもなく夜道を彷徨い走っていると、悠生は高台の駐車場に迷い込んでしまう。そこで彼は車中生活を続けているという初老の女性、みどりと出会い、不思議な一夜を過ごす。悠生にとってその出来事は、人生を考えるきっかけになるのだった。

主演は『愚か者の身分』で北村匠海さんの弟分役を熱演し、朝ドラ「風薫る」でも存在感を示した林裕太さん。共演は北野武映画をはじめ、数々の作品にご出演されている超ベテラン、岸本加世子さん。深夜の駐車場で年の離れた二人の醸し出すなんとも言えない絶妙な距離感と、夜明けに向かって流れてる空気感が、この映画の最大の魅力です。

「家って、建物じゃないと思うのね。」

岸本さん演じる、みどりが終盤、悠生にかける台詞。この物語を集約する素晴らしい台詞だと思います。脚本は『リンダリンダリンダ』『愚か者の身分』『平場の月』などを始め数々の名作を産み出している向井康介さん。向井さんは同世代のスターであり、自分がまだ無価値だった頃から憧れの存在だったので執筆していただき感無量です。短編ながらヒリヒリとした現実の中にも可笑しみもあり、これぞ向井脚本ともいうべきもので、この先も読みたくなりました。

監督は長島翔さん。長島さんとはドラマ「サ道」「天狗の台所」などのドラマを作ってきました。沢山の時間を共有する過程で、いつか映画を一緒に作りたいね、と話をしていました。幾度かそのチャンスは訪れたものの、コロナ禍をはじめ色々なことに阻まれ成立には至りませんでした。いつになるかは分からないけれど、いつかは実現したい。その思いはあきらめずに持ち続けていました。それが今回、様々な方々のご協力を得て短編映画という形で実現することになりました。音楽はHIPHOPとトラックメイカーのKMさん。RAPを含め素晴らしい楽曲を提供してくださいました。

撮影は六月中旬。雨が降ったり止んだりする中で行われました。夜のお話なので、夕方からスタンバイして朝まで撮影という昼夜逆転のスタイル。撮影場所は山の上にあり、しかも、基本的に雨が降っていて、この頃はまだとても肌寒かったです。撮影が始まると雨が降り、また雨止みを待って再開する。中々調子が出ない中、撮影は進んでいきました。雨止みを待つ間、お二人は劇中人物に思いを馳せ、監督と対話を重ねながら作品に向き合われていました。夜を徹しての撮影ではありましたが、それはとても尊い時間でした。

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