「キンパとおにぎり」と音楽について

KVバージョン違い。個人的にはこっちが好み
今年の1月期に放送したドラマ「キンパとおにぎり」。実は企画のスタートから放送まで約3年かかりました。オリジナルドラマということもありましたが、日韓の俳優さんが出演していることもあり、企画から撮影、仕上げに至るまでのすべてが想像の遥か上を行く大変さでした。だから、あの頃のことをあまり思い出したくありませんでした。
過日、音楽を担当してくれている韓国のシンガーソングライター、チョン・ジニさんの来日公演が恵比寿のブルーノートプレイスでありました。僕はジニさんの音楽がとても好きで、いつか一緒に仕事をしたいと思っていました。「キンパとおにぎり」は音楽を韓国のアーティストにお願いしたいと最初から考えていたので、劇伴音楽はジニさんにお願いしました。ジニさんは自分で歌も歌うけれどもピアノのインストアルバムも出されています。なので、絶対に劇伴を作る力はあると確信していました。韓国語がペラペラで優秀なAPの大江さんが頑張ってコンタクトをとってくれて、ソウルのカフェで初めてお会いしました。ジニさんはアーティスト活動の傍ら大学で教鞭もとられているそうで色々とお話をしました。「キンパとおにぎり」が目指す世界にはジニさんの優しい音楽が絶対に必要です、と熱く語る僕の話をジニさんは凄く真剣に聴いてくれました。まるで楽曲を体現したかのようにとても素敵な方でした。

ライブ前に久しぶりの再会。右奥がジニさん
ライブ当日のお昼に久しぶりにお会いしました。ドラマの制作期間中はリモート打ち合わせやメールでのやりとりはしていましたが、実際にお会いするのは初対面以来。ドラマの内容にも劇伴の選曲にも、とても満足してくれていてホッとしました。「キンパとおにぎり」はドラマチックな話の抑揚はないけれど、細かい心の機微やすれ違いこそがドラマになる。そういう作品をもっと作り続けて欲しいと言われてとても嬉しかった。みんな劇薬ばかり求めるから、そういう企画を通すのは難しいんですけどね。