「天狗の台所」と季節の花
「花は野にあるように」千利休
五箇公貴
2026.08.14
読者限定
きっかけは「天狗の台所」の撮影現場でした。「天狗の台所」は静岡にある古民家をお借りして撮影しています。そのお家には台所の手前に囲炉裏のある畳の部屋があります。そこに美術さんが大きな甕を置き、季節の花を活けています。美術の及川さんのチームは台所の飾りも本当に素晴らしいんですが、こういう所にもセンスが光っています。

数話ごとに活ける花が変わる
これは投げ入れという手法で、野の花をまるでそこに咲いているかのように“無造作”に活けます。及川さんは基が活けそうな野の花をチョイスし、数話に一回のペースで種類を変えています。実はこれがすごく大変な作業。撮影は約1カ月なのですが、出演者のスケジュールや天候にも左右されるため、1話から順番に撮影していくわけではないんです。もちろんそうする作品もありますが。1話より先に3話を撮影したりします。極端な話、初日に1話をとって、30日目にまた1話をとったりすることもゼロではない。すると、花の旬が終わってしまう危険性もあるんです。

美しい山吹。やまぶき色ってこの色なんですね